我家には週2回、火曜日と金曜日にお手伝いのアジュンマ(おばさん)のチェさんがやって来きます。主な仕事は、アイロン掛けと掃除、あとタロウと遊ぶこと!?
その①でも書きましたように、お手伝いさんを使うなんて人生初めての経験。彼女に来てもらい始めてもう1年半、お互いにアウンの呼吸で動けるようになったのでヤレヤレです。
このチェさんは、たしか50代半ば過ぎ。1時間ほど地下鉄とバスを乗り継いでソウルの北方面の街から通っています。今は、猛暑の夏なので比較的カジュアルな格好で現われますが、この時期を過ぎるとスーツにハイヒールっていう姿でバシッと決めるようになります。
最初の頃、我家に来たら先ずは手を洗ってもらう!っていうことを納得してもらうまでにだいぶ時間がかかりました。こちらでは、出先のトイレとかでも手を洗わない人が結構いますで・・・。最初にアイロン掛けをしてもらうのですが、「洗ったばかりの衣類はキレイでしょ。だから先ずチェさんの手もキレイに洗ってくださいね。」っていう風に説明。
彼女は、アイロン掛けはかなり上手。夏の間はカジュアルで会社に行く相棒のシャツ類も、もう洗濯屋さんのアイロンよりも彼女の方が出来がいいぐらい。出来が良い理由の一つにスプレーのりも影響していると思いますね。最初は、パッケージも日本製とそっくりな物があったので、それを使おうとしたら、霧にならなくて液がボタボタ・・・・。それ以来、アイロンスムザーのリフィルはいつも日本からです。チェさんも「日本製のはとても良い!アイロンが滑りやすい。」って言いますね。

ちょっと離れた所から見てもよく似ていますが・・・

近くで見てもよく似ています^^;
彼女がアイロンを掛け始めたら、私はキッチンの片付けに。最初の頃は、全部任せていたというか私もどういう風にしていいか分からなかったのですが、同じヴィラの韓国人マダム(日本に留学していたので日本語がペラペラ)から
「自分も一生懸命働いているところを見せないとダメよ。韓国人はすぐ手を抜くから。」ダソウ・・・
っていうアドバイスをもらってからは、だいたい午前中は、私も家中をバタバタと動くようになりました。特にキッチンについては、以前注意しているのにも拘らず、床用の雑巾でカウンターを拭いているところを見て(この時は、ガァ~ンでしたね)以来、シンク回りやカウンターの上は私がキレイにするようにしています・・・っていうことは、ピカピカになるのは週2回だけ!?
ちなみに、↑の韓国マダムが我家にお茶しに来て家を空けていた時、彼女んちのアジュンマは子守りをしながらソファで爆睡中だった・・・っていうのを一緒に彼女んちへ行き見てしまいました。
さて、アイロンが終わると、いよいよ掃除。最初の頃は、掃除道具を買ってきてもらったら、バケツも1個、手袋も1個っていう風に、「おいおい、トイレもリビングもキッチンも同じのでするのかい?」って驚いてしまったのですが、どうも韓国では普通みたいですね。で、急遽各場所ごとの
バケツや雑巾、手袋などを用意した記憶があります。玄関のたたき、あの土だのとにかく外の汚い汚れだらけの場所も同じ雑巾で拭こうとした時は、「止めて!」と飛んで行きました。
昨年秋には「トイレ手袋事件」というものあり、あの時ほど息が止まりそうになったことは無かったですね~。それまで、よく見ていなかった私も悪かったのですが、まさか便器の中を掃除するのに、ちゃんと用意してあるブラシを使用せずに、スポンジを持った手袋の手をそのまま便器の中に突っ込んでゴシゴシ・・・。もう、ヒェ~それだけは止めてくれっ!っていう感じでしたよ。だって、その同じスポンジでバスタブの中やシンクも掃除していたのですから・・・。絶句。
この時は、即間に入っている不動産屋さんに電話をして、なぜダメかという理由を説明してもらい、何とか事なきを得ました。
あの
姜尚中氏の「在日」という本によると、韓国はほんの30年前までは路上に空き缶を持った浮浪児が沢山たむろしていたほど貧しかったそう。貧しい時代は、「衣食住」は足りていない訳で、もちろん「礼節」も知らない人の方が大多数だったのでしょう。そんな時代に育った人の「衛生観念」を、全く違う世界で育った私の価値観に合わせようとしても無理な事ですので、とにかくチェさんが知らないことは、よく理由を説明して
覚えてもらうっていうことにしています。
チェさんは、我家の他にはフランス人宅とベルギー人宅に行ってますが、さてどうなんでしょう。不動産屋さんがいわく、誰が行っても勤まらなかった
超細かくてうるさいベルギー人宅で勤まっているのはチェさんだけ、とか。
さて、お昼になりました。チェさんはいつもお弁当持参。もちろんキムチも!今の暑い時期は、キムチ冷蔵庫の方に彼女のお弁当を入れてもらうようにしています。いつだったか、マイキムチを置いて帰ったことがあり、その時も即刻「置きキムチ禁止令」を出しました。とにかく、韓国社会は、ケンチャナヨ~(気にしない、大丈夫)社会なので、ダメなものはダメとハッキリ言わないとどんどん勝手に入ってきてしまうと、↑の韓国マダムからも言われました。
チェさんのお弁当は、その辺で買ったキンパップという韓国風海苔巻きとかお餅に、果物とキムチっていうパターンが多いですね。ダイニングテーブルのイスに立膝で座り、舌づつみ(って言うか、韓国では音を立てて食べる人が非常に多いです。その方が美味しいそうなんだとか)は結構激しいです。私は、この音が苦手なので自分の部屋に避難しますが、そのチェさんを下から見上げ、ず~っと熱い瞳で見ているはタロウ。「タロウ、そんなに見てたって何ももらえないんだよ。」その後、我家でチェさん用に用意している砂糖とミルクがたっぷりのインスタントコーヒーを飲み、タロウを構いながら一休みっていうのがいつもの彼女のランチタイムです。
そして、私のランチ、チェさんが来る日は、前もってチンして温めればOKなランチを用意しておきます。チェさんとは微妙に時間をずらし、自分の部屋でパソコンを見ながら食べるっていう感じです。(味気なし)前は、チェさんが来ている日でもよく出掛けたりしていましたが、窓はちゃんと閉まっていないわ、電気も全部ON、一度など玄関ドアがきちんと閉まっていなかったことなどがあったので、今はチェさんが来る日は極力家にいるようにしています。
午後は床の拭き掃除。水拭きです。チェさんはよく身体を動かしてくれるので、2ニャンとワンがいる我家でもすっかりキレイに。 自分じゃ~ここまで出来ないだろうなぁ・・・って何時も思ってしまいますね。
恐らく日本人ほど
キチンとしているというか、そうでないと落ち着かないっていう国民は、世界広しとは言えどもあまりいないのではないでしょうか。韓国に暮らし始めて間もない頃、近所に何軒もある美容院に干してあるタオル、みんなデレ~ンなんですよ。端がピシッと揃っていなくて、取敢えずダラッと掛けたっていう感じ分かりますか?そういう感じがそこここにあるっていうのが韓国なんですね。そんな国なので、そう人も多いんだと思います。
だから、せっかく掃除してくれても、ソファやテーブルがズレたままだったり、とにかく色々な物が
元の位置に戻っていない・・・。まぁ、そんなのは自分な直せばいいや、って思うことにしていますけどね。
チェさんは、朝の9時半から午後4時半まで働いてもらい、1日5万ウォン、約5000円。最初は、3時半までだったので、「妙に短いなぁ。」と思っていたんですよ。そうしたら、間に入っている不動産屋さん2軒の内、我家サイドのクォンさんがある時用事で我家に来た時に、「それ短すぎ!」って1時間延長交渉をしてくれた経緯があったのです。その3時半までと言ったのは、大家さんサイドの「欧米人用ヴィラ」紹介の不動産屋さんだったのです。その時は、6万ウォン、ランチが入って6時間労働で6千円なんて高すぎと思い、5万ウォンになったのですが、まだまだ高かったとは知りませんでした。
ちなみに、韓国人宅で働くと、9時~5時で4000~5000円ぐらいだそう。だから、チェさんは、普通より1時間少なくて同じ金額を得ている訳ですね。
えっ? 「でも、そんなうるさい日本人はめったにいない。」 ハイ、ソウカモシレマセンデスワ・・・ナンテネ。
動物嫌いが多い韓国で、猫も犬も好きなんていう動物好きなお手伝いさんのアジュンマなんてめったにいないので、最近ではそれだけでもよしとしなきゃって思っています。タロウもチェさんが好きですしネ。
★昨日のエントリーに対して
プリンママからのコメントが入っています。キャットプリンのHPでは、あまりの反響の多さにBBSは無くしてしまった程、猫世界では知る人ぞ知るのプリンママから☆
コメントをくださった方々へのメッセージ☆ですので、のぞいてみてくださいね~!